感染症との戦いに役立つヨーガ(スポーツ科学ジャーナルの論文)

早稲田大学、オックスフォード大学、イランのケルマーン医科大学などの研究チームが、新型コロナウイルス感染症による自粛やテレワーク期間中の運動トレーニングと栄養補給に関するガイドラインを発表しています。

Physical activity and nutrition guidelines to help with the fight against COVID-19
新型コロナウイルス感染症との戦いに役立つ身体活動と栄養のガイドライン
出典:Journal of Sports Sciences(スポーツ科学ジャーナル)、2020年8月掲載。

この論文によると、ウイルスの拡散を防ぐために自宅で自粛していると、身体の大部分が不活発になり、意図しない結果をもたらす、とされています。
自粛することで、逆に感染リスクを高め、免疫機能の障害を含む健康状態を悪化させる可能性がある。WHOは運動不足を世界全体の罹患率と死亡率の4番目の主要な危険因子としてランク付けしている、とのことです。

それを防ぐための身体運動として、以下の5つが推奨されています。

    • 有酸素運動(ダンスを含む) Aerobic (include dancing)
    • 機能動作トレーニング Functional resistance
    • HIIT(高強度インターバル・トレーニング) High intensity interval training
    • ヨーガ Yoga
    • 呼吸筋トレーニング Respiratory muscle training

具体的なヨーガのメニューが、臨床状態(Clinical conditions)別に挙げられていました。

    1. 健康もしくは無症状の人
      70分のセッションを週2回(深呼吸、誘導イメージ療法、深いリラクゼーションなど)
    2. 軽度の上気道症状(URTI)がある人(喉痛や鼻水など、首より上の症状)
      60分のセッションを週2回(アーサナ、瞑想など)
    3. 首より下の上気道症状、筋肉痛、発熱、消化器症状、肺や多臓器不全など
      30分のセッションを週5回(アーサナ、プラーナヤーマ、瞑想など)

注目したいのは、感染症状のある人にもヨーガを推奨している点です。
3. のような症状の出ている人に対しても実践を勧めているのは、ヨーガと呼吸筋トレーニングだけでした。
詳しくは〈論文〉をご覧ください

  有酸素運動 機能動作トレーニング HIIT ヨーガ 呼吸筋トレーニング
健康もしくは無症状の人
軽度の上気道症状(URTI)
首より下の上気道症状、筋肉痛、発熱、消化器症状、肺や多臓器不全など No No No

マスク、手洗い、消毒、三密回避だけでなく、どんなときもヨーガの実践を続けていくことが、これからの「with コロナ」時代には大切なことですね。
ヨーガと出会えて、続けられていることに、感謝です。