バクティ・ヨーガとキールタン

先月ご紹介した、ヒンドゥー教の聖典のひとつ『バガヴァッド・ギーター』では、カルマ・ヨーガ、バクティ・ヨーガ、ジュニャーナ・ヨーガが、3つのヨーガの道として言及されています。
カルマ・ヨーガは無償の奉仕のヨーガ・行動のヨーガ、ジュニャーナ・ヨーガは知識・智慧のヨーガ、バクティ・ヨーガは信愛・献身愛のヨーガ、と言われています。

バクティ(Bhakti)とは、神への無条件の熱烈な愛。信愛。
バクティ・ヨーガ(Bhakti Yoga)は、神の愛に心を開き、神に帰依する(神を拠り所とする)道。
シャンティパットが取り組んでいる「キールタン(Kirtan)」は、バクティ・ヨーガを代表する技法の一つです。

バクティ・ヨーガとは、「献身」を通して絶対的な存在と結合するための方法を体系化したものです。
神と人の感情的な絆は、人を神の高みまで引き上げて、最高の真実、美意識、喜びを体験する助けになります。
バクティ・ヨーガとキールタンは神を知る上で最も早くて簡単な方法です。
https://kirtan.shanti-path.com/?page_id=212

バクティ・ヨーガの最大の恩恵は、バクタ(信愛者)から「エゴ」が取り除かれることであると言われています。
バクティでは、とにかく、自己を神に明け渡すことが要求されます。完全なる帰依です。
すると必然かつ自動的に、謙虚さが現れ、自分は神の手の中の道具であるという感情が育ってきます。

キールタンでは、リード・ヴォーカルの後に、参加者がレスポンスする「コール&レスポンス形式(呼びかけと応答)」で、メロディーに合わせて神様やグルの名前を繰り返し歌います。
何曲ものキールタンを無心で歌い続けると、心と体が浄化・解放され、心身ともにエネルギーが充満してきます。その心地よさは、集会に参加しているすべての人たちに共有されます。
そして、空間全体のバイブレーションが高まり、浄化され、癒され、コミュニティを一つに結びつけ、さらに聖なる存在たちとの一体感を感じられるようになります。

現代において、バクティ・ヨーガは、最も容易にできるヨーガの道であると言われています。
確かに、マントラを唱えたり、キールタンを歌うことは、誰にでもできることです。
しかし、大前提があります。それは・・「自己を神に明け渡すこと」。完全なる帰依。
神への完全なる帰依があるので、キールタンは、普通の歌や合唱ではなく、バクティ・ヨーガと呼ばれているのです。

紙や まさみのグルーであるスワミ・サッチャナンダ師は、キールタンについて、次のような言葉を残しています。

音楽には、ものすごい力があります。
それは、人間が見つけた最も素晴らしい力です。
キールタンによって、最も崇高でスピリチュアルな体験をすることができるのです。
キールタンだけが、神聖なる存在とつながることができます。
キールタンによって本当の自分と繋がり、キールタンによって神様とつながり、キールタンによってキリスト、聖母マリアとも、クリシュナ、ラーマとも、皆つながることができます。
本当なんですよ!
音楽は、とても重要な働きをしてくれます。
ただし、”自己(Self)”を捨て去らなければなりません。
わかりますか?
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「ただし・・」の後の文章を噛み締めたいですね。

▼先月の記事『バガヴァッド・ギーターの神髄』
「コール&レスポンスの奇跡」の記事もご覧ください。
▼キールタンについては「サッチャン・キールタン・バンド」のサイトをご覧ください。

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