なぞらない意識と集中力が人生を楽しく豊かにします

同じことをやるときに、なぞってはいけません。

例えばアーサナを、1カ月全く同じメニューでやることになったとしても、なぞっていない人は飽きることがないんです。

なぜなら毎日体の状態が違うので、同じアーサナをやっても、感じ方は全く違うからです。

刺激の場所も変われば、伸びるところも違うし、呼吸の入り方も違うし、肛門の締まる感覚も違う。

形としては同じアーサナをやっているように見えても、実際の中身は全く違うものなんです。

私は個人的に、自分の弱点を強化するために3カ月や4カ月、場合によっては1年くらい、全く同じメニューを繰り返し続けていますが、「昨日と全然違うな」と、本当にいつもそう思います。

同じことを絶対になぞらない、という集中力を持ち続けることは、意外と大変なことです。

けれど、人生を楽しく豊かに達成感のあるものに変えていくには、同じことをやる時に、絶対になぞらないという覚醒した意識と集中力が重要です。

なぞらないという意識さえあれば、見えてくるもの、聞こえてくるもの、感じるものは、どんどん増えていきます。

そして、一生を通して同じという瞬間はないことがわかってきます。

人間は、朝起きて夜寝て、ご飯を食べて排泄してと、大きく分ければ同じことを一日中するわけで、その24時間の繰り返しで一年が終わっていきます。

そのなかに、なぞらないという意識さえあれば、肉体的な老化は一秒ごとに確実に訪れていても、気づきと学びは一秒ごとに上がっていっている。

そういう風に生きたいと思うとき、ヨーガという道具は私たちの人生を本当に豊かにしてくれているのだと思います。

朝起きてから夜寝るまで、決してなぞらない。

キッチンで洗い物をしている時でさえ、なぞらない。

違うやり方、違う水の量、違う意識、違う角度というものを意識し続けていくことが、一日を生きた充実感につながっていくのだと思います。

ヨーガ教室 シャンティパット主宰 紙やまさみ
2018年2月1日 夜のレッスンで