タットワ・シュッディで、なぜ事実が見えないのか? という話のときに、自分は悪くないという何も良いことを生まない不毛の感情がある限り、事実は全く見えてこないという話をしました。
皆さんはいま、自分は悪くないという考えを捕まえるべくトレーニングを始めたところですね。
タイムリーな記事があったので、ネットから引用します。
「日刊スポーツ」の首藤正徳さんという記者の方が書いた記事です。
「Jリーグ横浜FCのカズ(三浦和良)が5日のルヴァン杯鳥栖戦に先発出場して、53歳5カ月10日のJ公式戦最年長出場記録を樹立した。(中略)
1998年6月カズという人間を象徴する出来事があった。W杯フランス大会8日前に彼は日本代表から落選した。日本中が驚いた非情の通告。しかし直前合宿地で岡田監督が『外れるのは、カズ。三浦カズ』と発表したその3日後、帰国したカズは成田空港から所属していたV川崎のグランドに直行。練習を再開したのだ。
ワールドカップ初出場。日本のエースとして今まさに手をかけた夢が消えた。その絶望は、想像すら出来ない。怒り、恨み、悔み……人間だから当然あっただろう。しかし、彼は愚痴や不満は一切口にしなかった。自分に何が足りなかったのかだけを考えて前を向いた。後に『落ち込んでいる暇はないと思った』と当時の心境を語っている。
運動能力が群を抜いているわけではないし、スピードがあるわけでもない。器用でもないし、アスリートにしては体も硬い。それでも53歳まで現役を続けてこられたのは、どんな試練にも歩みを止めず、不運を人のせいにせず、すべてを通過点と考えて前を向いてきたからではないか。体を鍛え、技術を磨きながら、彼はそんな心の修練をずっと続けてきた。だからカズは今もピッチに立っているのだと思う。」首藤正徳(ニッカンスポーツ・コラム/スポーツコラム「スポーツ百景」2020年8月6日)
「5つの天使が微笑んで」でアメリカ大陸横断の話をご紹介したときも、やはり最後まで残った人は、絶対に愚痴を言わない人だったというくだりがありました。
どんなに嵐になろうと、川が氾濫していようと、雨が降ろうと、雪が降ろうと、靴が破れようが足に豆ができようが、それでも愚痴を一言も言わない人だけが大陸を横断することができたというお話ですね。
自分は悪くないとか、人やもののせいにするときのネガティブなエネルギーというものが、どのくらい自分を消耗させるかということですね。
エネルギーは、目に見えないですけれど、本当に武器ですから。
人を殺すことも出来てしまう。
エネルギーの暴力という武器ですから、それは自分にも同じように凶器として自分の持っているパワーを吸い取っていく。
事実を事実として受け入れない限り、タットワ・シュッディのあの素晴らしい効果は手にすることはできません、と同時に、事実を事実として見るためには、自分は悪くないというエネルギーを自分の中から絶対に生まないことですね。
生んでから消すのではなく、生まない思考回路を自分のなかにつくって、カズが言うように、自分の何がいけなかったのだろう、何が足りなかったのだろうという発想が、まずポッと心に浮かぶという鍛錬ですね。
口で言うのは簡単ですけれど、確かに難しいと思います。
けれど、現実に出来ている人はたくさんいて、そういう方々を見ると、本当にさわやかで明るくて、素敵に黙々と自分のやるべきことを、または使命を、与えられたことに対して真摯に集中して、ただそれだけをやり続けていると思います。
私たちも、自分のエネルギーを無駄使いしないということもありますけれど、自分は悪くないと言ったときのエネルギーの暴力を人に振るい続けて、誰かを痛めつけるということがないようにすべきですね。
2020年8月6日(木)朝のレッスンで
アメイジング・ヨーガ教室
シャンティパット主宰
紙や まさみ