限りなく深くTPOをわきまえる

開校記念祭で、まさみさんの美意識とはどうことですか? という質問がありました。

具体的なことはたくさんあるのですが、それを一言でいうと、TPOをわきまえる、っていうことに尽きるなという結論になりました。

この「わきまえる」という言葉の表すものが、とても美しいと思うんです。

わきまえることは、言葉で表すにしても、立場をわきまえる、身の程をわきまえる、状況をわきまえる、関係性をわきまえるというように、そこに相手が必ず存在しています。

対象となる相手の、状況や立場や気持ちを想像する思いやりと優しさがないと、わきまえるという言葉が使えないと思うんです。

相手の諸々を想像することで、自分がどういう風に、どういう服装をしたら良いのか、どういう言葉使いをしたら良いのか、どういう態度をとったら良いのか、どういう立ち振る舞いをしたら良いのか、ということを考える。

まず相手ありきで、それは迎合するのではなく尊重することですね。

心の底から相手を尊重するという大前提があって、では自分はどのようにしたら良いかと考えるとき、わきまえるという言葉がぴったりだと思うんですね。

TPOをわきまえるときも、我がそこにないんです。まず相手ありきでそのタイミングやシチュエーション、その場所にふさわしい自分の服装や言葉使いなど諸々を選んで決めていくときに、深いところで相手の全てを尊重する、敬まって大事に思う気持ちがあると感じますね。

TPOがわからない人は、すごく我が強くて、今日、自分がこれを着たい、自分がこれをしゃべりたい、自分がこのタイミングで動きたいと、自分が自分がっていう態度が全面に出ます。

服も含めて、動きも含めてですけれど。そうすると、なんか私はとても嫌な気持ちになります。ものすごく嫌になる。

そこに私の、すごいこだわりがあるんだなというのを、質問の後に考えました。

全ての人がTPOをわきまえる、限りなく深くTPOというものをわきまえることができたなら、本当に思いやりに満ちた上品で気持ちの良いエネルギーの循環が、どこにもぶつからずにスムーズに美しく流れていくだろうと思います。

TPOをわきまえるのに大事なことは、自分以外の全ての物・時間・場所・人に対して、敬う気持ちが心の底にいつもあることだと思います。

これは私の感覚なので、ちなみに皆さん自身の美意識は、どこに持っているのかな? というのをぜひ考えてみてください。

それを言語化しようとするとき、新たな自分の中の深い部分がはっきり見えてきます。

こうやってひとつずつ、何かのきっかけで自分を対象化して自分の中にあるものを掘り起こして言語化するのは、とても良いトレーニングです。

自分が本当に大事にしているものが、どんどんはっきりしてきますから。

2021年4月26日(水)朝のレッスンで

アメイジング・ヨーガ教室
シャンティパット主宰
紙や まさみ