サルサのベト先生が私たちにご指導くださる時に、「ひとつのステップを完結させてから、次のステップに移りましょう」っていうことを、いつもおっしゃるんですね。
踊ってる側としては、曲が速いので、次のステップ、次のステップっていうのが頭の中にないと、曲に乗り遅れてしまうっていう恐怖感みたいなものがあり、どうしても次のステップに変わる時の変わり目の最後のステップが曖昧になったり、いい加減だったり、流したりしてしまうんですね。無意識なんですけど。
でもそれが、踊りがクリーンじゃないっていうことで。
クリーンじゃなくなるから、ひとつひとつのステップを必ずきっちり終わらせてから次の動きに入りなさいって、教えてくださる。
スーリヤ・ナマスカーラを見ていても、ほんとにそのことは同じだなと思います。
カウントに合わせて動くのに筋力が必要なので、自分の中心線と丹田の重さが上手に使えないと、テンポに合わせるだけでいっぱいいっぱいになる。
なんでこのテンポにしてるかと言ったら、このテンポに付いてこられるだけの中心線と丹田力と筋肉が、必要最低限レベルですよっていう意味ですね。
だから、このテンポについてきて、きちっと1つの動きを完結させて、次の動きにハッキリ入る。
重さの玉を完全に違う場所に動かすことができないと、正確な次の形はできないんです。
今日もこうやって見てると、重さの玉がハッキリ使えてる人と、全く漠然としてて、どこに重さの玉があるのか分からない動きをしている人がいます。
それは自分の中で、もっと見つけていかないとダメです。
スーリヤ・ナマスカーラはただ5分間12回をやれば、効果があるっていうものではありません。
それなりの効果はもちろんありますけど、シャンティパットとしてやっている意味は、単なるスーリヤ・ナマスカーラの効果を得るだけではなく、きちんと背骨を柔らかくし、筋肉を強化してしなやかにして、重さの玉を上手に使えるように、丹田の力、バネを上手に使ってきちっと止まれることができるっていう、付加の価値を育てていきたいという目的があります。
体のためにやってるんですけど、実は体のためじゃなくって、心の動きに、まさに、この力が必要だからです。
心の動きに、今、私が説明したスーリヤ・ナマスカーラで鍛えてる部分を使うっていうことは、一体どういうことなのか? ということを、是非それぞれ皆さんで考えてみてください。
スーリヤ・ナマスカーラの動きをできるだけ早くして、止まる時間を長くつくる。
止まってる時間は、ピチッと置くべき所にハッキリとした重さの玉がある。
また、次の動きはできるだけスピーディーにバネを使う。
また止まる。正確な重さの玉を、きちっと正確な場所に置く、ということが、日常生活でどういう風に活かされるのか。
そして特に脳の問題、頭の中、心の中の動きにも、これはほんっとに役に立ちます。
色んな意味でですよ。1日が非常に長く使えるし有効に使えるし達成感もあります。
そのためにはこの、きちっと止まってスピーディーに動いて、重さの玉が正確か、というチェックが客観的に出来ないと、日常生活の時間の使い方、体の使い方に活かすことができませんし、内面的なことに使うのはもっと難しくなります。
是非スーリヤ・ナマスカーラでこのことを体得して、それをまず日常生活の現実的な動きに活用して、その上で心の中に使うっていうことはどういうことか、自分で考えて答えを見つけていただきたいと思います。
2021年4月1日(木)
アメイジング・ヨーガ教室
シャンティパット主宰
紙や まさみ