衝突と破壊が進化を生みます

ワークショップで、タマシックな状態からは、サットワという調和の状態へは絶対に行かれないっていうことを、よくお話しています。

サトウィックな調和のとれた状態に行くには、タマシックな停滞から、必ず、動きのあるラジャシックに進まないと、サトウィックには行かれないのです。

宇宙の進化の仕組みは、衝突が起きてぶつかり合い、衝突によってエネルギーが分かれて違うものが増えていきました。

衝突の無いところには進化はありません。

このことは、色んな形に活用できると思います。

たとえば自分自身のことを考える時でも、「私ってイケてる」って思った瞬間に自分との葛藤は無いですから、もうそこで進化は止まります。

自分の中で「こんな私でいいのかな?」という目が自分を刺すように見る時、「精一杯やったんだけど、でもどこか間違ってないか?」と。

そういう衝突を自分対自分の中に持てる時は、いつもそこに掘り下げがあり、気付きが生まれて、進化がありますね、自分の中での。それが出来れば最高です。

又は、価値観の全く違う人と毎日暮らさなきゃいけない。その時に必ず意見の食い違いがあり、感情の食い違いもあり、意見がぶつかり合うという衝突が起きますね。

でもその衝突を感情的なもので捉えていたら進化は無いです。

この衝突が、自分の包容力と想像力と今までの経験値から得た価値観の限界を超えさせてくれるものだっていう意識が持てた時、じゃあどういう風に違う価値観を認めるのか、または受け入れるのか。

自分とは違う価値観だけれど、あなたはそういう価値観なんですねという、認める心を持つのか。

自分の考えを変えて相手に賛成するところから、違う自分の可能性が育つこともあります。

いずれにしても、違う価値観と自分の価値観がぶつかった時こそ進化のチャンスってことです。

どうしていくのか、どう折り合いをつけるのか、それが「事実はなあに?」っていう大事な問いかけ。

やっかいなのは、いつもそこに感情が絡むからです。私はこうしたいのになんで分かってくれないか、という感情が絡む時、本質が見えなくなる。

価値観と価値観のすり合わせという作業に進めなくなって、「何で自分のいうことが分からない」こちら側も「なんで、私の言うことが分からない」っていう感情対感情になった時には、非常に苦しい時間が生まれますね。

なぜなら一緒に居なきゃならないからです。通りすがりの他人だったら、「あ、そう」ということで聞き流せることでも、家族だったり兄弟だったり、切っても切れない関係の中で、そういう違う価値観と、自分の価値観とのぶつかり合いっていうのが、なかなか難しい。

そういう関係を、自分が選んできたっていうことですね。

その相手は兄弟かもしれないし、縁があって結婚したパートナーかもしれませんけれど、いずれにしても、自分が選んでここに生まれてきたということまで遡っていくと、その衝突こそが、自分の最も飛躍的な進化をもたらしてくれるものってことですよね。

これはタットワ・シュッディのパート1で学ぶことです。宇宙の仕組みが宇宙スケールで分かると、それを全部自分の中に落とし込んで、進化するために衝突を起こし続けることができる。

衝突を起こし続けるということは、今でき上がった大事な完成品をどんどん壊してくってことなんですよ、執着を持たずにバカバカ壊す。

壊したらもっといいものが必ず生まれてくるんです。

けど、大体の人はものすごい努力して作り上げたものに執着が強くって、壊したくないので、過去のやり方をずーっと踏襲しようとする。

なので進化がない。そこがやっぱり一番のポイントだと思いますね。

どれだけ努力して作り上げたものでも、できた瞬間に壊していくっていう気持ち。

それはもっと進化する可能性が自分にある、ってことを信用するからですね。

信用するってことは、それだけの努力をするっていうことです。

そういう意味では、クリヤヨーガもタットワ・シュッディも、理屈じゃなく体の中でこういうことの理解をほんとに自動的に深めてくれるものなので、だから、究極の秘伝なんだなあということを、しみじみ、毎日実感しますね。

2021年5月6日(木)朝のレッスンで

アメイジング・ヨーガ教室
シャンティパット主宰
紙や まさみ